M男くんとM子さん

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 バーを仕切るママの知り合いだと分かったスタッフのS女性は安堵して了承する。  SMバーは、コスプレが可能である。現在では性器を露出するのは禁止となっているが、この頃はそれも問題なかった。もちろん見せたくない人もいるので店内の片隅にカーテンで仕切られた一角がある。そこから出てきたM子さんは、ミニスカートのナース姿になっていた。  肩まで伸びた髪を髪留めで纏め、ナースキャップを被ったM子さんは、既に縦縞のパジャマ姿に着替えたM男君の隣に座る。入院中ロクな看護婦がいなかったと言うM男君の要望で2人は今夜、ナースと患者にコスプレしたのだった。  M子さんが気付くと、M男君は既にウーロンハイを半分ばかし飲んでいて、ソファの向かいに座るスタッフの若いS女性に絡んでいた。 「いい肌してるよねえ。ねえ。叩かせてよ」  M男君の無茶な要求にS女性は平静を装って静かに諌める。 「私、Sですから」
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