真昼の月

贖罪の夜

「まんこ舐めてあげる。足開いて……」

「え……やっ。そんなとこ……」

「抱かれに来たんでしょ」

掴んだ足先に九条さんは舌を這わせて、視線を逸らさないまま足の指を余すことなくなぞっていく。歩く為だけにあった私の足は、知るはずもなかった柔らかな舌で快楽を覚えていく。

「あっ。ん……そんなの………いや。んっ恥ずかし……」

「ぐちょぐちょになるわんちゃんが見たいの。黙って乱れて」

「あっ……んっ……」

太ももは強く抑えられ、開かれた足の間に熱い舌が触れていく。指先は乳首を刺激しながら、湿り切った敏感な場所に九条さんの舌が入り込んでいく。

「あー違う。今は声……思いっきり出して乱れまくって。日本語難しいねぇ」

「あっ。あっ……んっあ。舌……だめっ……あんっ」

意地の悪いほどの卑猥な音が耳に届いて、足を掴む綺麗な指先を見ているだけで果ててしまいそうだった。舌が丁寧に、私の形をなぞる様に触れていく。目を閉じても舌の動きと滑らかさが鮮明に想像できて、体が火照って息が荒くなっていく。
たまに会う視線が脳内を見透かされているみたいで、それでも私は卑しく九条さんの指や目を見ていた。動く度に冷たい髪が太ももに触れて、それがまた体を敏感にさせた。全て計算ずくのようで逃げる場所もなく全身を支配されていく。

「イッた？　もう入れてもいい？　もうちんこギンギンなの。あ……ごめん。ゴムない……ごめん……でももう我慢するのなんて無理」

最低な言葉。あり得ない。でもそんな事どうでも良かった。あなたと交われないこと以外どうでも良い。私は……あなたに会ってからどうかしている。

「……早くいれて欲し……」

「何それ。エッロ。本当にわんちゃん？　あー。んー。どうしよ」

そう言って自分のモノを私のぐちょぐちょになった場所に押し付けて、先端をぬるぬるっと擦り上げる。待ち遠しい。そんなんじゃ足りない。その先を待ちわびて、爪を立てた。

「あっ。いや……んっ。あっ。焦らさないで……」

「あー俺も無理。自分で自分を拷問してるみたい」

女である事に喜びを持たせるかのように、子宮の奥が疼いて、もどかしくて、もう頭にはそれしかなくて、足をじっと出来ずに九条さんの体に擦り付ける。
ズズズっと粘膜に絡み付き、身体の中に躊躇なく入ってくるモノが身体中に鳥肌を立てる。僅かな恐怖を抜けると持て余すような快感……頭は真っ白になって、満たされる喜びと痛みが思い出される。

「……わんちゃん？　わんちゃん？　大丈夫？　」

「……はい」

「俺のこと見てよ。目閉じないで……」

「……見てます」

下から見上げた顔はまつ毛も一本一本、鮮明に見えて、なぞるように数えた。薄っすらと額が汗ばんで、それが私との行為によるものだと思うとずっと愛しく思えた。こんなにも近くで、あなたを見てみたかった。ずっと触れてみたかった。ずっとあなたに抱かれたかった。