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 2020年頃から数年に渡って世界中を襲った、あの忌まわしき「コロナ禍」。これが21世紀後半の「薬物天国」に繋がると想像出来た者は、どれくらいいただろうか。政府が主導するワクチン接種に対して懐疑的な意見も聞かれる中、それは強引に押し進められ、ほぼ「国民の義務」と化していた。ここでその、真偽や是非を問うても仕方ない。それは実際に行われたことで、動かしがたい事実なのだから。  このワクチン接種で莫大な利益を得た薬品会社と、その利潤の「お裾分け」で大いに潤った政治家の皆さんは、変異やら亜種やらでダラダラと続いていたコロナ禍がようやく収まりを見せた21世紀中盤、次なる利益を生み出す必要性があった。一度味わった贅沢を捨て去ることの出来る者など、いないのだ。一度クスリにハマれば、それを断つことが極めて困難であるのと同様に。  そこで与党が打ち出した方針が、誰が何を、どう勘違いしてそうなったのか、未だに不明だが。「それまで違法とされていた、薬物の合法化」だった。ヘタに違法と決めつけるから、裏でのやり取りが行われる。それは反社会勢力の財源にもなり、健全な状況に繋がるとは言いきれない。従って、製薬会社が「地球と人に優しい薬物」を開発し、誰もが「安心して薬物を接種出来る」環境を造り上げることが必要である……!    どう考えても、草案か立案かどこかの段階で、誰かが「それはマズいだろ」と指摘しておかしくない、指摘すべき方針だったが。なぜか大きな反対意見も聞かれないまま、その法案は可決されるに至った。この時点ですでに「烏合の衆」と化していた野党に、もはや与党を覆せるだけの力も勢いもなく、法案の否決など出来るわけがなかった。大麻などの合法化を目指していた団体の後押しもあり、薬物合法化法案は、あっという間に「実地」されるに至った。
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