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となるとやはり、ここは「俺しかない」ということになるんだろう。そしてそれが、橋本が俺を引き込んだ「真の目的」だったんだろうな……。
「ああ、あんたの言う通り。俺があの頃やっていたことは、いかにお役人たちの目を誤魔化すかってのがメインだったからな。そういう意味で、政府関係とのコネも、確かにあるよ。だがいかんせん、『今は昔』のことだからな……まあ、出来るだけ確かな線を探ってはみるが。あまり過度な期待はしないでくれよ? なんせまだ、『復帰して間もない』身だからな……」
だが、「いえいえ、こうして私たちの『計画』に参加して頂いてるだけでも、有難いですから」などと、心にもないことをサラリと言ってのける橋本を始め。日野もそしてカオリも、明らかに俺に「期待を込めた眼差し」を向けていた。そういうことなら、やるしかないか……。
俺は半ば諦めにも似た心境で、しかし心のどこかでは、ずっとこういう時を待っていたような、「ウズウズした想い」が沸き上がっていたことも否めなかった。そして俺たちは遂に、SEXtasyへと続く果てしない深淵への、第一歩を踏み出した。
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