節約

掃除をしていると、明美の部屋の前に、空き缶やペットボトルで溢れんばかりになったゴミ箱が出してあった。今日起きてから何度目のため息だろう。せめて、都度洗って、こまめに出しておいてくれればいいのに、汚れたまま溜め込んでは時折こうして放出してくる。直接渡すといい顔をしないものだから、こっそり部屋の外に出しておくなんて真似も小賢しく腹立たしい。女の子なんだから、と言いたくはない。性別の問題ではないだろう。食べ残しや飲み残しをそのままにしておけばカビも生えるし虫だってわく。それくらいのことは考えてもいい年頃ではないのか。いやそもそも、マグボトルにお茶や水を持って歩き、毎日出せばいいだけの話ではないのか。一体お小遣いのどれくらいが無駄にドリンクに消えているのか。変に甘ったるいにおいのするゴミ箱を、私は階下へと運ぶ。