オメガバースではありません

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「一人だけ?同居人はいる? 」 「一応ペットの金魚はいますけど一人で」 「その金魚は雄? 」 「は、はい」  そこ確認するところだろうか。 「人外かあ。じゃあ一応雄同士って事で4万安くなるよ」 「え!ホントに?じゃあ此処に決めます。でも雄同士……男二人以上だと何で安くなるんですか? 」  意味が分からない。 「だってアレコレ妄想出来るからね」  不動産屋の目が輝いてレンズに反射した。 「じゃあ即入居可だから。取り敢えず契約書用意するね。これ僕の名刺」  名刺には刺身伊と書かれてた。 「すみません。珍しいお名前過ぎて読めないんですが……」  沈黙が気まずくて口が滑る。 「さしみおさむって読むんだよ。でも、おさむとも読んで貰えないからサシミイで通してるけど」
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