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───そして夏休み。
巨大な目玉みたいな観覧車に見下ろされ、ジェットコースターが歓喜の悲鳴を乗せ突っ走る。
青い空に向かって揺れるカラフルな風船。
キャラクターのマスクや派手な帽子を被り園内をうろつく人々。
ピエロが勧めるポップコーン。
カリフォルニアの太陽の下。
最後に見た君は、ジャパニーズレストランのテラス席で、焼けた肌にメロンソーダ色を映していた。
グロスで濡れた唇、陽の光を反射して耳朶でキラキラ揺れるゴールドのフープ。
眩いブロンドを風で煽られながら、肘を付いて泡を見詰めていた。
初めて飲むJAPANのメロンソーダ。
先ずバニラアイスを少し削って、小鳥のような舌に乗せる。
それから傾いたアイスをストローで少しずつ沈めてみる。
すると白く泡が膨れてグラスの外に溢れ出してしまった。
途端に笑い声が弾けた。
頭を振って、やっちゃったって顔して。
ペロリと舌を出し、指で掬って溢れた泡を
舐める。
ブロンドの巻き毛を掻きあげながら、メロンソーダを美味しそうにゴクゴク飲んでいた。
すぼめた唇がキャンディみたいで。
ホントにキュートだった。
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