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 ウエストポーチに2挺の拳銃と予備のマガジンを入れチャックを閉める。  キャップのツバを目線ギリギリまで下げて 黒のタンクトップの上にブルゾンを着込んだ。  ヘマはしない。  自信がある。  全部計算済みだ。  耳にワイヤレスイヤホンを引っ掛ける。  チョイスしたBGMはマンソンの「The Fight Song」。  秋未満夏以上の陽気で乾いた風が吹いていた。  俺が息を吸えたのは、あの真っ赤な夏だけだ。  だから季節なんて意味が無い。  移動にはタクシーを使った。  赤茶色の煉瓦塀に沿ってゲートに向かう。  門を抜けた先には校舎までの道。  今は昼近い。  カリキュラムの無い生徒達が緑の芝生や植樹の影で寛ぐ姿がチラホラあった。  笑い声が聞こえてくる。  馬鹿騒ぎのパーティーで酔って、朝起きたら知らない女が隣に寝ていたとか。  そんな下衆な話題でイキがってる。  ずっと前から変わらない光景。  腐った伝統。    ケイティが撃たれてから、まだ1月しか経っていないのに。  何で笑っていられるんだ。  犯人が気にならないのか。  ウエストポーチの中に手を突っ込みスライダーを引く。  弾がチャンバーに送られる振動で五感が拡大した。
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