兄との思い出(弟視点)一

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 それから談笑しつつ僕達3人は昼食をゆったりと食べた。 食べ終わってからもトランプでババ抜き、神経衰弱など遊んでいるとあっという間に夕暮れへと変わっていった。 「そろそろ、バス停の方に移動しますかー」兄の言葉に従い、どこかへ行く或いは元の場所に帰る準備を手早く行う。 「よし、じゃあ行こうか〜」兄と彼女が僕に手を差し出す。僕は二人と手を繋いで歩き出す。二人の背は僕よりも頭、二つ三つ程大きかったので歩幅も当然僕よりも大きい。だけど二人は歩幅を合わせてくれる。 兄のひんやりとしている手の温もりと彼女のほんのりと熱い手の温もりを左手と右手で感じながら歩く。  バス停でしばらく待っているとバスが来た。 都会で使われているバスとは違って古くてこじんまりとした印象のバスだ。 でも、中途半端に都会と合わせているのかICカードを使えた。  僕を真ん中にして窓に面している右側に彼女が左側に兄が乗った。 少しの間談笑をしていると疲れていたのか右側の方からスヤスヤと寝息が聴こえてくる。 「椿さん、疲れて寝てしまったようだね」と兄はクスリと笑いながら小声で言った。 「一番はしゃいでたような気がする」 「そうだね、あの人はずっとはしゃいでたもん」二人でクスクスと笑った。
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