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あなたは強くはありませんよ。
いつも通り土曜日の朝6時~15時まで病院で清掃業務を行い、退勤。
病院を退勤したら通販サイトの工場まで自転車移動。
早めに到着し軽食をとり休憩をとる、彼女には食事とインスリン注射がかかせない。
今日は17時~夜中3時までの勤務だ。
いつも通り仕分けと工場内清掃、新人指導、引継ぎを行いあっという間に深夜になる。
自転車であわてて帰宅し、シャワーをあび少し仮眠。
そして夜明け、朝6時から病院での清掃勤務だ。
今は6月だけど、年々温暖化の影響で海辺の地域とは言え暑さにはこたえていた。
「麦茶でも飲んで梅にぎりでも食えば大丈夫っしょ!」とランチは軽め。
掃除は体力仕事だから食べ過ぎると体が重いから嫌なんだそうだ。
病室の廊下で、倒れている患者さんをみつけた。
圭子にとってはこんなの日常茶飯事、手を消毒しとっさにかけつける。
「大丈夫ですか?」
初老のおばあちゃんだった。母にかさなったのか圭子は心配になって彼女を抱きおこす。
通った声で
「看護師さーん!せんせーい!だれかー!!ここナースコールないから叫んでるんだ~誰か来て~!」 と叫んでいると自分もフラっとして、
一瞬「え、今浮いた?あたしは天女になったのか?」と変な妄想をしていた。
周りがさわいでいて、同僚のおばちゃんも近寄ってきた。
圭子さんはどうやら倒れてしまったようで、なんと勤務先の病院で倒れてしまったではないですか!
そしたら背が高く筋肉質な先生が近寄ってきた、圭子の視界もうつろ。
誰かが圭子を抱きかかえている。
「ああ、お医者さんか、あたしもついにお母さんのもとにいくのかな」 と思い 目覚めたのは勤務先の病院のベッドの上で倉庫バイトの上司と兄貴たちがきている。
「その横に、え、反町隆史....? 」ぶつぶつと小声でつぶやく。
「GTOは白衣を着ていないよ。 ああ、先生か、、、ってええええええええええこんなお医者様目の前にいたら、あたし、心臓がどうにかなっちまいそうだ。」
ああ、どうしよ。
兄貴が話始めた
「お前、過労と血糖コントロールが悪いみたいだな。体重もすっげぇ痩せたな?教育入院が必要だとよ?」
圭子「え、あたしが?コントロールには自信あったし二か月に一度は通院してるのに?」
兄貴「だからこのイケメン先生がおっしゃってるんだ。しかもお前くも膜下のけもあると。しばらく休め。自信過剰になるな。」
圭子「あたし働ける、あたしは強い、強い、強いんだよ!生きがいなんだよ!まっとうに生きられなかったあたしは働くのが好きなんだよ!」
兄貴「大きな声出すな!病室だ!鉄パイプなんて振り回すなよ」
お兄さんもそんなこと言ったら周りビビルだろ。
そっと、反町隆史、もとい反町似のイケメン先生が近寄ってくる。
圭子の内心は「反町は菜々子と結婚してるはず」と場違いな思考をめぐらせていた。
「あなたは強くはありませんよ。後で説明しますので、ゆっくり眠ってください」
と耳元でささやかれ心臓がどうにかなってしまった圭子はベッドの角に頭をうち脳しんとうをおこし、ベッドに着地。その通り眠りについてしまった。
はたして、圭子は眠りから無事にさめるのでしょうか。
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