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プロローグ
ズドォオオオオオオオオオン。
森の中で大木が激しく倒れる。
鳥たちはその勢いに飛び立った。
「ふふ。今日も元気だな」
そう、大木が倒れたのは事件ではない。
俺の奥さんの仕業だ。
最近、新しい家を作るために木を調達しているのだ。
奥さんにそんな力仕事を任せて良いのか?って?
いやいや、力仕事は俺がやる方が足手まといになっちゃうし、
彼女も俺に怪我させたくないと言って手伝わせてくれないんだ。
俺は魚を入れたカゴを背負って家へと帰宅する。
「ただいま」
「お帰りなさい!」
奥さんは俺を子どものように持ち上げた。
奥さんは身長2メートル20センチ。
俺はせいぜい170センチだ。
身長差50センチの体格差夫婦だ。
「今日もお疲れ様!」
「いやいや、キミこそ大変だったろう。今日は一段と大きな木を倒したんじゃないのか?」
「うん。ダマヤさんに頼まれた分もやったの。もう疲れちゃって」
「はは。お疲れ様」
俺の奥さんは全人類全種族最強の奥さんだ。
隕石の落下を防いだり、山火事を一息で消したり、地面を掴んで地震を食い止めたりした(?)という逸話を出したらキリがない。
そんな彼女と俺の馴れ初めを振り返ろう。
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