序章 球技大会って何でもあり??

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 無理やり委員長の横を走り抜けてもいいンだが、後が怖いのでオレは彼女の2m手前でピタリと立ち止まる──フルスピードからのフルブレーキ──つんのめりそうになる体を0.5秒で3回の超高速地団太(じだんだ)キックでどうにか制動した。 『ズダダッ!ダン!!』   「ふう! おはヨッス! 慈琉奈(じるな)委員長!」  なぜかラストネームやミドルネームで呼ぶと彼女は不機嫌になるので、オレはファーストネームで呼んでいる──他の男子には良湖畔(よいこはん)委員長と呼ばせているくせに、何でオレだけ名前を付けなきゃならないんだ? 「おはようじゃないわよ!! 垂神他(たれがみた)!」  なんでか、オレは名前で呼び捨てにされる。 「今、何時だと思ってるの?! 8時33分! 3分も遅刻なのよ?! これで今週は連続3回目の遅刻ね? これで週末の補習とボランティア活動は確定ね!!」  目の前で腕組みをしながらキツイ目をして彼女はにらんできた。 (そうだーッ! いっけねー! 新学期から校則が厳しくなったんだっケ? 昨日の夜3時頃まで斬牙良(ざんがら)・スベア・半場山(はんばやま)のヤツとネトゲのハイパー鍛練少林寺独房拳、通称ドクケンをやっちまったのが効いちまったナァー)  垂神他(たれがみた)が、いっけねーという顔をしたのを慈琉奈(じるな)は見逃さなかった。   「どうやら、またネット対戦ゲームをやって寝坊したようね? 半場山(はんばやま)と一緒でしょ? どうなの?図星じゃない?!」   「イヤ・・あいかわらず名推理だナァ。 慈琉奈(じるな)委員長!・・しゃーねぇなァ・・週末の補習とボランティア活動は甘んじて受けるよ」  オレは潔く白旗を挙げた。
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