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「おぅ! ご苦労さん。良湖畔」
強面で有名な担任のゴスタス・玉・火狩野だが、わずかに柔和な表情で慈琉奈委員長を出迎える──しかし、オレにはじろりと一瞥のみだ。
──ところで、オレの席は教室中央列の一番後ろ、しかも慈琉奈委員長の左隣という特等席だ。
オレが席に着くと同時に慈琉奈は球技大会の競技選定署名リストの用紙をサッと渡してきた。
「休み時間によろしくね!」 念を押す委員長。
「おお、約束は守るよ」 オレは用紙を机の中にしまう。
「それじゃ、ホームルームを始めるか!」
担任のゴスタスの言葉に、本日の日直の未炬南・玲弦・シレビネアが立ち上がり号令をかける。
「きりーーーつ・・・きょーーつけーー・・れぇーーー」
「♪おーはよーう ♪ございまーーす!!」 クラスメートの不協和音の合唱が響く。
毎週、短い挨拶合唱のメロディは変わるのだ。
「ちゃくせきーーー」
ハイパーサイエンススクールで一応進学校のココでも、ギャルな生徒は何人かいるものだ。
ちなみに日直の未炬南はプラチナ髪の超ミニスカであるが、なぜか慈琉奈と気が合うらしく、制服がギャルスタイルなことは大目に見てもらっているようだ。
「再来週水曜の球技大会だが──」
担任のゴスタスがいきなり切り出した。
「先生達の間でも球技が得意な人を中心として、三競技にそれぞれ特別枠として1チームずつ出場することになった──抽選で1回戦のどこかのチームと当たるんだが──勝敗は関係なく生徒チームが勝ち進むことになる。 しかも、もし生徒チームが勝てば、そのチームが属するクラスの生徒全員に学食の夏季スペシャルウィークの特別メニューの食券が渡される──」
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