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その17
ある日。
二次部(二次元同好会)の部長ハマ先輩に呼ばれ、俺は部室に向かう。
するとハマ先輩はせわしなくみんなに何か指示を出していた。
「ウエッチは月曜帯を!トバは火曜を頼む!よっしーは……」
「お、おはようございます。ハマ先輩、呼ばれたので来たんですが……」
俺はうろたえるままとりあえず挨拶。
するとハマ先輩は俺に向き直り涙目になった。
「星野隊員!!頼む、我らを救ってくれ!!」
ハマ先輩の話を簡単にまとめると、
どうやら今期のアニメや発売ゲームは“豊作”らしい。
部長であるハマ先輩は、その時期その時期のアニメやゲームをおおまかにジャンルで分け、表にまとめることをしているらしく……
「星野隊員!!今期はアニメが目白押しでな……頼む、木曜アニメの分類をっっ!!俺はゲームを分けなきゃならないんだ!!っ、皆には相当な負担を掛けることになる、本当に済まないっ……」
ハマ先輩はあふれ始めた涙をオーバーに拭う。
「「部長っ……部長ぉぉ!!」」
「……。」
吉田を始め、俺以外の部員たちは泣きながらハマ先輩に頭を下げ、あふれる涙をやはりオーバーに拭い始めた。
……なんだろう、俺のこの疎外感……
この二次部が演劇部よりも自然にこんな会話になることはすごいのではないだろうか。
そして“連帯感”は時に強い絆を生むこともあるのだと、部長と部長のために泣き続ける部員たちを見て俺は思った……
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