読書感想文のような後書き

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読書感想文のような後書き

 BLシェアハウスの企画「歌をイメージした作品を創ってみよう」参加作品として書きました。東雲誠様が紹介されていた「春日狂想」を元にしています。  中原中也の最高知識はEテレの「にほんごであそぼ」です。 「春日狂想」は今回初めて知りました。青空文庫にあったので全文読んでみした。  冒頭部分だけを読んだ時には素直に後追い自殺をする主人公を書こうと思っていましたが、全文読んで内容を変えました。  どうやら中原中也は息子を喪っているらしく、その時の心境を書いたのが「春日狂想」だそうです。  昔は子どもが幼いうちに亡くなることは割と多かったみたいだけどみんなよく受け入れていたな、死生観今と違うんだろな、なんてぼーっと考えていましたがそりゃ中原中也みたいに受け入れられなくて精神状態ドン底になる人もいただろうなと。思いました。  自分の身近な大切な人がこの世からいなくなってそれでも世の中は普通に稼働して穏やかでのんびりとしていて「畜生こいつら何もなかったような顔しやがって」と思いつつそんな世界に自分も溶け込んでいくって何だかつらい。それが愛する我が子だったりしたら「生きてれば○歳だなあ」みたいな切なさも相まっていっそうつらい。わかってはいたけど自分も自分の大切な人もこの世界のちっぽけなほんの一部でしかなかったんだなあと思い知らされる瞬間な気がします。  ということを踏まえつつ腐考回路を働かせていろいろ世界観を捻じ曲げて書いたのがこのお話になります。春ではなく夏にしたのは夏のジメジメした空気の中くんずほぐれつする所を書きたかったからです。  人生はひたすら楽しい方がいいなと常日頃から思っていますが何故かフィクションの世界では酷い目に遭ったりだとか泣いていたりだとかボロ雑巾のようになった心を引き摺って生きていたりだとかする人たちを読んだり書いたりしがちです。  東雲誠様、この度は素敵な詩を紹介してくださりありがとうございます。
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