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最悪のタイミングで友也くんがベランダから部屋に戻ってきたようだ。
ベッドの下からの視界は狭く、足しか見えないが秋人くんは幸助を迎えに出かけているのだから、消去法で友也くんしかあり得ない。
まずい事になった、と私はお腹にぐっと力を込める。
こうすることにどれ程の効果があるかは分からないが、何もしないよりはマシだと信じたい。
友也くんは私に声をかけるでもなく、部屋の中をスタスタとテーブルの方へと歩く。
あと少しで秋人くんが幸助を連れて帰ってくるのだから、私と喋っているタイミングでばったり鉢合わせになるリスクを考えてのことだろう。
こんな事なら昨日の夜、あんなにフライドポテトを食べるんじゃなかった。
後悔しても遅い。というより大概の後悔は手遅れだからこそ後悔なのだろう。
一応、幸助の彼女として友也くんや秋人くんとは仲良くやってきた自負がある。
自分で言うのもアレだが、気は効く方だと思うし、嫌な女とは思われてないだろう。私にとってもこれからも仲良くしていきたい、信頼の置ける人たちだ。
でも・・・、でもだ。
そんな人たちの前でも、オナラは避けたいものなのだ。
だって、私だって女子なのだから。
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