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ドッキリの内容はいたってシンプルだ。 翌日の幸助の誕生日に、怪談と同じシチュエーションを作って脅かそうというものだ。場所はもちろん幸助の部屋。 一度幸助をビックリさせた後で、秋人くんと友也くんがプレゼントを渡す流れだ。 「こんなこと頼んじゃって申し訳ないね」と若干気を遣われたが、私は飲み会の前に既に誕生日を祝っていたので快く、ベッドの下に隠れて脅かす役を買って出た。 段取りはこうだ。まず秋人くんと友也くんが適用な理由をつけて幸助を宅飲みに誘う。 ほどほどに場が盛り上がったらこっそりと私が家に上がり、隙を見てベッドの下に潜り込む。あとはタイミング次第だが、わぁっと飛び出て驚かすだけだ。 日曜で全員休みが取れたこともあり、宴会は昼過ぎから行われた。 私がいつ家に入るかのタイミングだけ気がかりだったが、幸運なことに幸助が一人でコンビニに行くことになったのだ。 「やべえ、今月の仕送りしてなかった。催促の連絡きたわ」 そう言うと財布と携帯だけ持ってささくそと飛び出していったらしい。 その連絡を受けて私は幸助と入れ違いに侵入。あとはタイミングを見計らってベッドの下に入って、帰って来た幸助を脅かすだけだ。
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