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瞬間、私の脳裏に稲妻が走る。浮かぶは恐ろしい発想。 これから確実に起こるイベントで、しかもうまく音をかき消してくれるタイミング。 それは、まさにドッキリをする瞬間だ。 幸助が部屋に入ってくるタイミングで私は「わぁーー!」と叫びながらベッドの下から這いずり出るのだが、この瞬間ならいけるのではないか? 大声の前ではオナラの音など瑣末な存在。虚空に消えるだろう。 ベッドの下なら臭いとかもワンチャンそこに滞留してくれて気づかれる恐れもないかも。 その後の「ドッキリ大成功」的な流れから秋人くんたちがサプライズプレゼントを渡す流れに移行してくれれば、何事もなく話が進むし、これなら誤魔化せるのでは? ・・・いける、これはいける! となると後は幸助たちが帰ってくるまで辛抱するだけなのだが、ここでちょうど私の顔の横に置いていた携帯が光る。 見てみると秋人くんからの連絡だった。 『今マンションの怪談登ってまーす。あと1分もしないで着くよ!』 「怪談」を誤字ってるが、そんな小さなことはどうでもいい。 よかった、ナイスタイミング、あとは実行に移すだけだ。よく耐えたわたし! 一方の友也くんはといえば、ベッドのすぐ横に立っている。すらりと細く長い白い脚。 一瞬でいいからどこかに行ってくれれば私がこんなリスキーな事をする必要もないのに・・・と、ちょっと恨めしい気持ちになる。
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