はじまる

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はじまる

 いよいよ、夕方。 5時が業務終了の時刻だ。 4時半を過ぎるとソワソワして、早くも片付け出す夏。  皆んな何気なく時計をチェックする。 「ん? なっちゃん! もう帰る用意?」 「はは〜ん、デートか?」 「いや、そんなんじゃ……」 「隠さなくても…」 「そりゃあ一大事だな!」 「もう帰ったら? 色々準備があるんだろう?」 皆んなニヤニヤしている。  現場から帰って来たオジさん達に、伝言ゲームのように次々に伝えられる。 「もうやめてよ〜!」と言いながら、顔は笑っている夏。  所長が仕方なく「なっちゃん、もう帰って良いよ。」 「え? 良いんですか?」 「こんなこと初めてだし、皆んなも落ち着かないからな!」 「ありがとうございます!じゃあお言葉に甘えて〜お先に失礼します!」と、急いで帰る。 「こりゃあ楽しみが増えたな」 「長生きは、してみるもんだな、ハハハ」
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