僕の好きな人は、

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ある小学生のスピーチ 「僕が好きな人は、優しくて綺麗で可愛くて僕は見ていると照れてしまいます。 僕の、好きな人は、ピンク色の色鉛筆です。他の色でも、違うピンク色でもない、この色鉛筆です。 僕が悲しい時は、優しい色でふわふわな線で僕を包み込んでくれます。 僕はこの色鉛筆を思うと胸が痛いくらい早く心臓が動きます。 ですがピンクの色鉛筆はだんだんと短くなっていきます。 前に一度、忘れて欲しいと言われたことがあります。今まで一緒に楽しく遊んでいたのに何の前触れもなく言われました。 僕の好意に気づいたからです。 僕は、僕は、自分が何をしたら良いか分かりませんでした。 彼女は、悩む僕にピンクの色鉛筆をくれました。 ピンクの色鉛筆はいつも彼女が使っている物で短くなっていました。 僕は忘れることが出来ませんでした。 僕の好きな人は、もうこの世にはいません。 僕の好意はピンクの色鉛筆へとむかいます 」 このスピーチが、この声が、この思いが、届きますように。
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