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「それは素敵なお考えですね。スーパーマーケットでお買い物されましたか？ 品揃えは如何でしたか？」
「はい。一人分の材料があって、助かりました」
「有り難うございます。では、もう一つのやりたいことをお伺いしたいのですが……今回、ピアノのご利用を希望との事でしたね」
「ピアノは幼稚園の時から中学生の頃まで習っていたんですけど、途中で辞めてしまいまして」
自分の小さな手を見る。自分が届かない音を楽々と弾く同級生を見て、心が折れてしまった。長い間、ピアノから離れていたけど、心のどこかでは諦めたことを後悔していて、もう一度練習したいと思っていた。
「でしたら、こちらのイベントに参加されませんか？ 二ヶ月後のイベントなんですけど……」
そう言って菊池がA４サイズのポスターを取り出した。
「青空ピアノ発表会ですか？」
「ええ。幼稚園のお子様からご参加出来る、音楽会を予定しております。もし、宜しければ」
「はあ」
ピアノを弾くに当たっての注意点などを最後に聞いて、アンケートは終了した。
「こちらからは以上になります。今の時点でご不明な点はございますか？」
「いえ、大丈夫です」
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