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どこに座ればいいのか悩んでいたら、藤崎さんにカウンター席を進められた。右に1つ空席があって、その隣にはひーちゃんさんと小山田さん。
「あ、大久保さんこんばんはー」
グラスビールを片手に、ひーちゃんさんが話しかけてくれた。小山田さんが会釈してくれたので私も返す。
「こんばんは。あの、今日って何の集まりなんですか?」
「んー、何の集まりかは知らないや。イケメンがいるバーに行くから、予定が合ったら来てねって香川姉妹に誘われたんだ。ひーちゃんよりイケメンか確かめたかったから、カゲを誘って来たんだよ。それより大久保さん、50万で幸せになれるとしたらど」
「ばっ……!ひーちゃん、その話しはするな。すみません、気にしないで下さい。それより何か注文したらどうですか」
小山田さんが、慌てた様子でひーちゃんさんの口を押さえた。50万で幸せになれるって言っていたけど何なんだろう。
十和子さんと美加子さんの誘いということは、あのそっくりさんもマンション関係の人だったりするのかな。
「何か飲まれますか?」
「え、じゃあ2人と同じビールをお願いします」
もう1度顔を見てみたいけど、振り返ってじろじろ見るのも失礼だよね。
「ジルちゃん、本当に来てくれたのねー!」
ドアが開いたと思ったら、聞き覚えのある元気な声がした。
え、今ジルちゃんって言った?
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