心機一転

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エントランスを抜けてすぐの場所に「201」と書かれた部屋がある。 元々は2DKの畳部屋だったのを、何年か前に広めの1DKにリフォームしたらしい。 遅い時間に帰って来ることが多い私にとって、この部屋は魅力的な場所だった。酔っぱらって帰って来ても、この場所なら何も困らない。 いや、外ではあまり飲まないと決めたのだからどの部屋でも問題ないのだけれど。 茶色のレンガに蔦が這っていて、とても趣のある建物『アルファ・ビルヂング』 癒しを求め物件を探していたら、偶然このマンションを発見した。 大久保晴香、三十歳。 今日からここで新しい生活を始める。 数年ぶりの一人暮らし。
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