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プロローグ
春風が吹く季節に俺は故郷に帰ってきた。高校を選ぶ時、故郷に戻りたいことを志願して来たのが翡翠高校である。
幼馴染も居ると聞いたので志願したものの、そこまで楽しそうな場所では…。
〜翡翠高校〜
…普通にたのしぃ。
自分の感情が言葉として出ないほどこの学校は最っ高だ。ほとんどが知り合い(幼馴染)で、楽しい学校生活…なのだが。
1人だけ見覚えが無い。
忘れてたらどうしようと思ったがその人は初めて見たと思う人では無い。だが記憶がない。
一体誰だ━━━━━━━━━━━━━━━
休み時間、俺はいつも通り友達と話、係を済ませ、本を読んだ。
でもやっぱり彼女が気になる。
声を…かけたいけど。なかなか難しい。
恋をした時、愛する人と会話を成立させるのは難しいと聞いたがそれとは別だ。
本当になんなんだ。
ある日彼女の名前を知った。彼女は佐々木 花蓮、穏やかであまり話すことは無いらしい。
んー本当にほんっっっとうになんなんだか。
その日は佐々木さんが消しゴムを落とした。拾う……うっ気まずい。
そう思いながら俺は授業を続けた。
そして今日、佐々木さんはついに俺に話をした。
「あの、私探してるんです。私の花を。もしかしたらあの場所にあるかと…」
探し物?花?あの場所????
「えっと、すいません。俺には理解出来ないようです。」
すると佐々木…いや花蓮は俺に小さな声でこう言った。俺はそれに絶句した。
「私、残りの余命が少ないのです、だからお願い。私の花を探して。」
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