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第三話【落とし穴】
今日は休日、確か佐々木さんと一緒に神社に行くんだっけ。
「佐々木さん、遅いなぁ。」
改めてスマホのLINEを開く、
『夜に肝試しすることになった!私、頑張って友達作ったよ!!』
読んだだけで元気の伝わる言い方。よかった自分で一生の友が出来て。…………ん?
【肝試し】…え?
夜にいくん?まじか…。
怖いの苦手なんよな、いやいや!意地張ってた方がいいのか?!
「くぅ、ったく行くっきゃねー。」
こうして夜に恐る恐る神社へ向かった。
「あ!きたー(*≧▽≦)」
すぐに反応した声に覚えがある…
「英治お久ー!村上 静加だよー!」
くらい鳥居前に静加の声が響きわたる。
「とりあえず紹介するね。英治さんのお友達?の静加さん。隣が最近友達になった黒川 朔弥さん」
「よっよろしく。」
なんだろう、静加は元気なのに朔弥って…まさか!!
「行こうか、2人1組で。」
こうして俺と佐々木さん、静加と朔弥さんのチームになった。
先に行くのは静加達だし待ってるのも退屈だ。
「星、綺麗だね。」
いきなりでびっくりしたが俺はそれを焦りながらうなずき返した。
早いがそろそろ5分が経過する。
「もう行こっか。」
「あいよぉ」
…怖えぇ
こうして2人、懐中電灯で足元を照らしながら歩んで行った。
「うぐっ、暗…」
緊張しながら進む 。
「くっ怖いなぁ、あんま弱音吐きたくないけどね。」
……返事がこない。
「佐々木さん?どうしました?」
後ろを振り向いたとき、
「さっ佐々木さん!?どうしたんですか!」
そう、彼女は発作を起こし倒れてしまった。でも神社の祟りでもなんでもなく、ただただ、一時的なことだった。
学校ではなることないのになにか条件があるのか?とでも思ったけど何も無く、普通にランダムで起こる命懸けのサイコロだっった。
運試しなど知らず、危うく死に至る可能性があるらしい。対応が早かったから助かったんだな。
それから2日後、佐々木さんは学校を休んだ。
原因不明の病が悪化、発作と発熱、ダルさを起こし家から出る気配もなく俺は彼女の机を見た。
「…大丈夫、大丈夫だよね。」
自分に言い聞かせ俺は授業に取り掛かった。
何日も
1週間も
1ヶ月も待った
でも帰ってこない…彼女、いや、佐々木花蓮はいつ帰るのだろうか。
俺の目の前に、忽然と。
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