御百度

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御百度

かつかつかつかつ、かつかつかつかつ、かつかつかつかつ、かつかつかつかつ、かつかつかつかつ、かつかつかつかつ、かつかつかつかつ、かつかつかつかつ、かつかつかつかつ 夜更けに女物の下駄の音が響く… かつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつ…願掛けの必死な下駄の音だけが丑の刻の境内を埋める。 あまり様子のよろしく無い若造が、この様子を鳥居の陰から、息を詰めて見ている。ある事を頼まれたは良いが…男は何故か躊躇していた。 かつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつ… 躊躇わせる何かを女は持っている。 悩んだ挙げ句に…辻褄の合わない事を男は選んだ。 翌朝、若い男性の死体が…男の証言で、見つかった。
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