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恋とはビビッとね
『ヒロ、おつかれ〜。今夜は終わり、下で飲む?』
「オーナー、お疲れ様です…じゃ、ちょっとだけ」
『ビールでいい?』
「はい」
『どう?』
「どうって?」
『自分で依存症って言ってただろ?』
「ああ、なんか…治ったっつーか…平気なんです」
『やっぱな…お前、元々コッチだったんだよ。なのに女しか知らねーから満足できずヤリまくってただけ。それが仕事だったとしても男抱いてっから満足したんじゃね?』
「そうなんですかね…あん時オーナーが、死ぬんならその身体俺に売れって…気づいてたんですか?」
『まぁな…確信はなかったがそんな気がしたし、そんだけの身体と顔持ってて死なすのは勿体ねぇって思っただけだ。女にもモテるだろうけど、男にもモテてただろ?』
「まぁ確かに…でも男抱けるなんて思いもしなかったから…」
『まぁいいさ、第一段階突破したんだ。次は第二段階だ』
「第二段階…?」
『恋愛すんのに決まってんだろ?お前に抱かれた後、連絡先知りたいって言う客多いんだぞ?お前は何にも言わないからウチのルール通り断ってるけどな。なんか…こう…ビビッときた時は言えよ?』
「ビビって…わからないな…」
『そのうち…な…俺が聡と出会った時みたいに…』
「マスターの恋人?」
『そう…俺は最初からゲイで、若い頃は遊びまくってた。初めて聡を抱いた時…ビビッときたんだよ。セックスの相性とかじゃねぇ、もうこいつ以外抱けないって思った。だからお前もそんな相手を見つけたら俺に言えよ?そん時は上の仕事は辞めていい』
「はい…わかりました。けど…俺も相手も仮面着けてるし…恋なんてできますかね…」
『バカだな…顔も身体も関係ない…心が繋がるんだよ。お前はまだ若い、人生これからだ。もう死ぬなんて言うなよ?』
「はい…ありがとうございます」
『んじゃ、またな』
恋か…女も男もたくさん抱いてきたけど、そんなのには出会った事ないな…
【もう、コイツしか抱けない】か…
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