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32歳、人生の再スタート
季節は秋。
平日の15時。
1人船で沖に出て、イカを釣りながら遠くを眺めていた。
アタリが来てフッキング!
私「大物きたぁー!」
船だから大物が釣れる釣れる〜。
タモタモー。
巨大なタモですくって船のイケスにポチャン。
大漁大漁〜。
海上保安庁の巡視船が、ずーっと先に見える。
向こうもこっちを望遠鏡で見てるのかもしれない。
船はユラユラ揺れて気持ち悪くなってきた。
私は船長なんだけど、船酔いはする。
気持ち悪くなり、「あぁ、もうダメだ」イカリをおろして島にあがった。
岩に座って酔いが覚めるまでまた、遠くを眺めはじめた。
酔い覚ましの時間が惜しい、実に惜しい。
漁師のおじさんが近くを通った。
漁師のおじさん「おーい なおさんや~釣れたかやー?」
私「あぁーイカが12杯くらい釣れたわー」
漁師のおじさん「そげん釣れたかやぁー魚やるわー」
私「じゃあイカあげるわー」
漁師のおじさんは78歳。
私は32歳。
海上でよく会う友達だ。
漁師のおじさん「島に上がってなにしとるんやー?」
私「船酔いしたから休憩してるにー」
漁師のおじさん「ははは~気を付けてかえれやー」
私「わかったー」
と言っておじさんは漁港へ向かった。
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