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ファミレスにて
(あの店員さん、可愛いなぁ)
喫茶店のコスチュームが良く似合っている小柄な身体で、丸顔にベストチョイスとしか言いようのないショートボブ。そこへ赤色のカチューシャが見事にマッチして、萌えに萌えている。
ちょっとお洒落なカフェで忙しなく料理を運ぶその娘を、ミルクセーキを飲みながら、じっと目で追っていた。これだけはっきりと視界の真ん中に見えるということは、こっそり横目ではなく、堂々と正面に顔を向け、その店員さんを見ているということになる。
一歩間違えば、ストーカーと勘違いされてしまわないか。そう考える僕は、小南平吉、十九歳。大学一年生で、この日は講義が無くファミレスで勉強をしていた。
ガラス張りの壁際にあるカウンター席に座り、一人で黙々と課題を解いている。外を行き交う人がガラス越しにチラチラと見てくるが、僕は気にしない。
何故なら僕の左目には、お洒落なカフェの可愛い店員さんが見えているからだ。
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