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お気に入りの人形もブロックも、時折与えられる段ボールなんかとも。その全てと一日中一緒にいられた頃にはもう戻れないのだなと、遠い道のりの先にまだ目的とする建物は見えて来ず。気が遠くなって足元を見る。そうして意識を他に移していれば、いつの間にかそこに着くだろう。
黒くてピカピカと光る靴に、白いソックス。そんなものは履いていられないといつもの運動靴と、キャラクターのデザインされた靴下を履いて家を出て来た。特別な日だからとめかしこんで、まったく馬鹿馬鹿しい。そんな靴やソックスでこちらのことが先方にわかってもらえて、すぐに打ち解けられるのならば、いつだってめかしこんでみようじゃないか。どうせすぐに、洗濯をしてよれきったトレーナーやら、ズボンやらを動きやすくていいでしょうと、出して来られるに決まっている。ならば今日だって、その格好で来た方がどれだけかましだ。
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