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店舗の飲料棚には、陳列されたばかりだろうコーヒー類のカップが欠けることなく並んでいた。
期待のこもった熱いまなざしで棚の端から端まで目をやっていた香坂さんが、その中のひとつを目にして小さく飛び上がって歓声をあげる。
蒼野さん、ありましたよう、と。
「今日もはずれかと思ったー」
嬉々として、それを手に取っている。
「蒼野さんはいいんですか」
「うん、わたしには甘すぎかも」
パッケージには『まるで飲むプリン・練乳たっぷり濃厚カスタードラテ』と書いてある。味を想像しただけで、甘党というわけでもないわたしの舌は遠慮に縮むような気がしてしまう。
結局、わたしはコーヒーマシンでホットのカフェラテを購入することにした。
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