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そして、物理特化下の進行に肉付けするかのように王妃が指揮を摂り始めた。
服さえも着の身着、化粧も自分で薄化粧だった私は救世の神子たらんとした衣服をオーダーメイドであしらわれ、本格的な化粧を施された。王妃自らに。
結果論から言おう。
救世の神子としてのTPOを網羅した私を見て、皆が態度を改めた。
国民や兵士の士気がうなぎ登りした。
多少優勢になっただけで愉悦に浸っていたことを後悔するほどに。
もちろん、陛下の希望で軍議にも参加していたが、隊長職たちからの扱いも一変し、飛躍的に爆発的に敵国やファンタジーさながらのモンスターを圧倒して行った。
剣や魔法もある手本(テンプレ)のようなこの世界。
魔王もいるにはいるが、差し迫って倒さなければならない理由もない。
国の安寧を脅かす存在を駆逐せんがために呼ばれた。
確かそう、説明された気がする。
『原石と言うとあまり聞こえはよくないけれど、大概の女性が元が良いとは限りません。スタートラインが違うだけ、心の持ち方が違っただけで変わる時は変われるものですわ。男って馬鹿ですの。最初から造られた綺麗なものに気が付かずに惹かれるか、無頓着かの二択なんですもの』
あの陛下にこの王妃あり。
清々しいくらいばっさりと言い捨てる彼女に陛下は気にも止めない笑顔、ラウラは顔面蒼白。
明らかに自分だと受け止めている。
分かりやすいほどに。
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