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即返品に物申す
私には縁のない話だと思っていた───。
気がつくとキラキラした大広間にたくさんの女性と鎮座していた。
その誰もが美女や美少女ばかり、いや、しかいない。
キラキラはここから発せられたのではと思えるほどに。
不思議なのは皆、服装がバラバラであること。
私のようなスーツも異質だらけのひとつに過ぎない、が、何故か皆私を見ている。
私が逆に目立っている。
仕事帰りで化粧は崩れ、しかしうっすらとしかメイクしないため気がつかれない。
目立たないように、空気であるようにと生きてきた成れの果て。
だが、悪癖のせいで悪目立ちをしてしまう。
自業自得だが、性分だと諦めている。
せめて見た目くらい───。
現在絶賛、目立っている。
周りが宝石箱のように煌びやかの中に照りのない石が混ざっているかのような。
明らかに浮いている。
───カンカン!
甲高い音に一斉に向き直る。
「皆さま、急なお呼び出しをしてしまい、申し訳ありません。わたくしはラウラ。現在、救世の神子を探しておりまして。100人個別で召喚して気が遠くなったので一斉に召喚させて頂きました」
羨むほどの柔らかな美貌の女顔美青年が現れた。
能力あるくせに100スカ引いてると。
宝の持ち腐れとはこの事。
数打ちゃ当たるって思ってんな?
当然ながら空気がどよめきだす。
「手違いだった場合、元の世界にお帰りいただけますのでご安心ください。お調べさせて頂く際の滞在部屋もご用意ございますので順番まで自由にお寛ぎくださいませ」
最近の異世界転移ものは何故か帰れない設定が定着しているけれど、元々の異世界転移ものは行き来可能且つ、スリリングな作品が多かった。異世界と現代で離れている間に絆が深まるお決まりの───。
おっと、ぞろぞろと案内される美女たちを尻目に待ち時間妄想を始めてしまった。
気がつくと、ぽつんとひとり、イケメンと対峙していた。
「……あなたは? 」
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