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2話_雨音(デジャブ)
ザー ザー
雨樋を通り越し脳天を叩きつけるような
激しい雨音で目が覚めた。
いつもの日課、カーテンを開け『土砂降り』を確認し、ぶつくさ言いながら憂鬱に支度を終えて玄関を出る。
全ての物音、会話を打ち消すような激しい雨音が
鳴り響いていた。
あの信号を左で、コンビニを右、
2つ目の信号機を右へ曲がり
左のビル二階へ行った後
*私は血だらけで倒れて死んだ。
ピピピピピピピピピピ・・・・
ーアラームが鳴る
「ゆ、夢・・・・。」
いつもの日課、カーテンを開け天気を確認した
『雲』か。
「今日美容室なんだよなぁ。嫌な夢のせいで最悪なスタートで、なんか面倒になってきた」憂鬱に支度を終えて玄関を出る。
あの信号を左で、コンビニを右、
2つ目の信号機を右へ曲がり
左のビルへ向かおうとした瞬間
ぽつりぽつりと雨が降り出し一瞬で
地面を叩きつけるような土砂降りに変わった。
「え?!嘘、ま、まって、無理 無理 無理!」
とっさに近場のカフェに避難し爆音のテレビに目がいく。なんだか騒がしい。
テレビ中継には、今向かっていた美容室が映されていた。先ほど連続殺人犯が立てこもり散髪客を無差別に切りつけ複数人を殺傷したそうだ。
ザァーーザー
ザーザーァーーーーーー
不気味な雨音は心拍数と共に鳴り止まなかった。
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