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カーペット
店の奥に置かれた僕は誰の目にも入らない。今も辛いけど、買われてからも人の下に敷かれて過ごすだけ。毎日毎日下から人を見上げなきゃいけない。ジュースとかこぼされても僕がこぼしたみたいに睨まれるだけなんだろうなあ。
僕はこれまでいろんな店をまわってきた。でも「うちの店に入っていいよ」なんていう店は一つもなかった。やっと入れたってのにこの店を出るわけにはいかない。いや、絶対に出たくない。カーペットみたいにされたとしても生きるためにはこの店にいないといけないんだ。
一本の電話。出るのも怖い。恐る恐る受話器を取った。予感は的中した。
「くそっ!内定取り消しか…」
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