僕が何をこじらせているって?

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僕が何をこじらせているって?

「ねえ、ほら、あの人」  現実の女は、腐ってる。 「ああ、皆岸(みなぎし)さんでしょ」  どいつもこいつも、僕を見て(わら)う。 「31歳だっけ? んで独り身? 独身貴族ってやつ?」  口を開けば下品な話ばかり、存在価値のない腐ったゴミの癖に。 「ぅ~? きゃは、そんな柄じゃないっしょ、あんな顔で。第一この会社じゃ貯金出来るほどの給料もないだろうし」  せめて、聞こえない所で馬鹿にしてくれ。 僕の知覚する世界に入らないでくれ。 「独身どころか、下手すりゃ彼女だっていたこと無いんじゃない? 典型的な陰キャってやつ」 「うわ、ありそう、ってことは、31歳で童貞って訳だ」 「仕事もできない、彼女もいない、オマケにこんな零細に勤めてて金もない。何が楽しくて生きてるんだろ」  黙れよ。  僕のほうこそお前らになんか興味はないんだ。  お前らみたいな── 「ありゃ、相当こじらせちゃってるね」  中古女どもには。
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