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その帰り。黄昏時と呼ばれる時間帯になった街で、僕はその駅のホームで電車を待っていた。連絡用に親に渡されているスマホで僕は調べ物をしていた。
この街の遊園地について――。
この街は東京ではあるけれど、都心部のような華やかさは落ち着いている。電車やデパートのなどの娯楽や交通機関は存在して分かりづらくはあるが、少しだけ田舎のような雰囲気がある。
そんな街の事なら大抵知っているものの、僕は遊園地の存在については全く知らなかった。何かしら機械音や音源が響いているとは思うのだが、そんな気配は全く無いし噂になった事さえない。
試しに調べてみたら、今は遊園地は存在していなかった。かなり昔••••••僕にとっての昔だが、20年程前には遊園地は存在していたらしい。けれど老朽化と乗り物による死亡事故が重なった事で閉園し、今は廃遊園地として心霊スポットとまで言われているという。
『人身事故で死んだ子供の霊がずっと彷徨っていて、事故が起きた子供達の夏休み期間中に同い年ぐらいの子供の元にチケットが届く。閉園の時刻になっても、行けば最後――二度と家には帰れない』
たかが都市伝説サイト。そんな事が現実に起こる筈がない。そう思い込んでいたけれど、電車が来た音でもビクビクとする僕は、それを真に受けていると自覚する他なかった。
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