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6
悪夢から一気に目覚めた私は汗でびっしょり濡れていた。眠気すら残らず少し息も上がってる。
私は思わず俯かせた顔へ手をやった。
「なんだったんだ今の夢は……」
ゆっくりと断片的についさっきの夢を思い出す。
その時、ハッとした私はすぐさま傍に置いてあったスマホを手に取り電話を掛けた。
「いいアイデアを思いついたんだ! 夢だよ! 人々が望むストーリーの夢を見られるようにするんだ!」
それから数年後、私は『借夢社』を立ち上げた。
あの日見た夢のように全てが自由自在とはいかないが、こっちが用意したストーリーを夢の中で主人公として体験できる。そんな娯楽と睡眠が同時に取れるような機械を貸し出すんだ。ネットカフェのように個室へ入室してもらってそこでストーリーを選び眠りにつく。
それがわが社が提供するサービス。借夢社は夢をレンタルする時代を作り上げたのだ。
『夢もレンタルし自分で決める時代。あなたに極上の夢を。借夢社』
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