蝉詠
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庭へ
出
(
い
)
でて草引き。 密林よろしく伸び放題の草たち。 軽く嘆息。長々と屈んで作業。汗落としつつ続ける。 作業一刻。 庭は緑古着を脱いだ。陽に荒れ肌を見せる。 荒れ肌を調える竹箒。軽快に
掃
(
は
)
き清めた。 薄化粧の柔肌が映える。 仕上げと水打つ。 陽に熱せられた岩まで掛かり
陽炎
(
かげろう
)
一つ。 境界ゆがみ。揺らいで消える。
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