蝉詠

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 団扇(うちわ)を揺らして夏空を見やった。  快晴に入道雲起きて。蝉達は恋を合唱する。  合いの手は風鈴。しどけない添え歌。  涼し気に(つつ)ましく唄う。  縁側に一人。皿より一つ頂き。夏を遊ぶ。
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