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跳ねるLIVE②
「私とカズ君は、『Sea.dog』を抜けるわ。これ以上、アナタに私達を自由にさせられない。学年が一つ上だからって。」
「何よ!次は秋フェスなのよ!これからじゃない!『Sea.dog』はボーカル変えてこれからのバンドじゃないのよ!」
結夏は美由紀の右頬を思いっきり、引っぱたいた。ビリビリと切り裂くような、痛みが美由紀を襲う。小さな顔の上下が切り裂かれたように痛かった。
「てめぇ!美由紀に何しやがる!女だからって容赦しねえぞ!」
和真が結夏に凄んだ。
「ひっ!」
結夏の身体が後ろに飛んだ。追いかけて行こうとした所で、美由紀が和真に強く、ストップをかけた。
「もういいの!結夏さんはどうぜ、シュウともまだ、切れないヤ〇マンビ〇チだし、カズ君にまで手を出そうとした最低の女だし。」
「なんだと!悪りぃのかよ!純真ぶりやがっておボコの癖に!今時、処女とか重いだろ!糞女!」
「な!何を!」
和真の神経が持たなかった。再び、彼は結夏を襲おうとした。
「待って!待ってくれよ!和真!」
物凄い、重低音の声が響いた。大声を出したのはリードギターの比嘉だった。
「俺はカズのボーカルに惚れた。和真と美由紀に着いていく。それに結夏の行動には頭にきていたんだ。俺も『Sea.dog』を抜ける。結夏の音楽性は認めるが、人間的にはどうかと思うぜ。」
「比嘉!アンタはギターだけ弾いてりゃいいのよ!誰が口答えしろって言ったのよ!」
「お前、敵が多いんだよ。結夏。美由紀と和真、飲みに行こうぜ。胸糞悪ぃーぜ。」
比嘉は和真と美由紀を伴って、外に出た。
「何よ!誰のおかげであんた達が上手くなったと思ってるのよ!この!糞野郎!」
表の舞台まで響いてしまうような、怒鳴り声を上げて、結夏は3人を罵った。
そして、一人残された、結夏は泣き崩れた。
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