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跳ねるLIVE④
和真は帰宅すると、直ぐにぬるめのシャワーを浴びた。
初ライブの緊張でベタっとした嫌な汗をかいた。
柔道の全国大会とは違う変な汗だった。白のプリントTシャツと黒い短パンをはいて、布団に横たわろうしたがーーーーー。
「てか!美由紀!」
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン」
「呼んでねえし!」
「この布団、すごく、寝やすいんだよねー。昨日もカズ君と一緒に寝たら、すぐ寝れたの。この布団、最高!」
「こんな、汗臭い汚ぇ布団、笑っちまうよ。」
「カズ君、隣に来て・・・一緒に寝て・・・」
和真は美由紀の声のなんとも言えない色気と切なさが彼の心を捕らえて離さなかった。そんな、言い方されたら男としての自分を制御する自信がなくなる。
「あ、ああ・・・分かった」
だが反作用として兄弟姉妹のような彼女と男女関係になることがあるのか?という命題はある。近親相姦にさえ思えてくるのだ。
和真は美由紀の右側に寝た。直ぐに彼女が腕を絡めてきて顔を横向きで和真の胸に埋める。いつもと空気感が違う。
「お前、今日、スケスケのネグリジェで、またノーブラかよ!」
和真はおちゃらけてみたが、美由紀は何故か無口なままだった。こりゃまずいな・・・
和真の中で今まで美由紀と築き上げまで来た、『女友達で親友』というポジションが崩れていくようにも感じた。
「ねぇーえ?カズ君・・・今日のカズ君、カッコ良かったなぁ・・・」
彼女はひたすらに甘えてくる。口調がトロトロだ。和真は平静を装う振りをしている。
「あ、、そうかそうか。あぁ、そうかな?」
「何、その、反応の薄さ。私が褒めるってほとんどないんだよぉー」
「分かってる、分かってる。今日は上手く行ったのかも知れないね。」
「これからもきっと上手くいくよぉ。私と何とかしようよ。ねっ・・・」
「いや、アハハ!美由紀さん、そこは皆様のお力をお借りしてーーーーー。」
「私が何とかする!私が育てる!だからねっ・・・」
美由紀がソッと和真の手を取り、自分の下半身のバジャマのズボンを捲りあげ、そこの部位に彼の指を触れさせる。2人とも同時に。
「あっ!」
と、声を上げた。美由紀の下半身は熱く湿っていた。和真は直ぐに手を引っ込めて、腕を抜いた。
「はしたない女と思われてもいいの。私、カズ君が好き!好き!好き!ずっと、好きだった。私だけのものにしたい!ダメ?」
「いや、いや、待て美由紀、なんだってんだよ。急に告るなよ。ビビるじゃねぇか!とりあえず、落ち着け!ネグリジェをちゃんと着て、元に戻せ!」
「触っていいよ。好きにしていいの。上着も脱いじゃったよ。」
「美由紀!」
「誰にも取られたくない。誰かのものにさせない。カズ君は私のもの!だから、私をカズ君のものにして。まだ、男の人を知らないから。」
和真の頭の中が真っ白になり、自分の中の規律や決め事、価値観、モラル等、全てが崩れ去る音がした。
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