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東京・台東区・鶯谷 ➀
いかがわしいラブホが多い。この鶯谷を二人はよく好んで行くのには理由がある。新宿に店を持つふたりに取っては、新宿のラブホは敷居が高いと言うより、恥ずかしい。自分の家のリビングで性交渉をしながら、それを堂々と見せつけているような感覚に囚われる。しかも、夕方、まだ、陽が落ちていない時間帯から。二人は50歳になっている。もう、ガツガツ他人の生殖器を貪るような歳でもなかった。
駅前の牛丼屋で和真は牛焼き肉定食を、美由紀は牛丼の並を食べた。これも何時ものルーティン。二人きりになると饒舌になる彼も週に一度の鶯谷では無口になる。千晶は無事に産まれ育て上げられたが、それ以降、二人には子供ができなかった。原因はやはり、美由紀が年相応に女性として成長してから妊娠をしなかったのが原因だったのかも知れない。
千晶を産んだ時も帝王切開だった。
和真はそれをいつも悔やんでいた。美由紀にいつもその事を詫びていたが、彼女は明るく『大丈夫、大丈夫』と笑っていた。今日はいつものホテルの505号室は空いていなかったので隣の506号室の部屋を取り、二人で入った。
「お風呂、入ってきてよ。暑かったから。」
「・・・ん。」
不意に和真が近づき美由紀を抱き竦めた。
「あっ!もう、びっくりだなぁ。苦しいじゃない?はぁ、はぁ、はぁ。」
「今日も変わらず可愛い。」
「もう、毎週、水曜日は可愛いの大安売りだね。」
和真は照れて俯いた美由紀の髪をゆっくりと掻き上げ、若い頃より少し広くなったおでこにキスをした。
「うん。ありがと。」
「自分で脱ぐ?俺が脱がす?」
「脱がせて貰おうかな?いつも通り。今日は何だか、何時もよりドキドキしてるの。なんでかなぁ。もう、おばあちゃんなんだけどな。」
「千晶も米国でよろしくやってるよ。子供だってもう、おおきくなっちゃってさ。」
「カズくんは何時も私をドキドキさせるの。16歳の頃からずっとずっと。いいえ、初めて会った3歳の時から私、もう、ドキドキしてた。」
二人は唇を重ねた。互いの舌がネチョとわけ行って来て、絡んでいく。その度に美由紀が。
「あん。あん。あん。」
と悦声をあげ、身体をピクつかせた。
「部屋が明るいよ。カズくん。消してぇ・・・あん。あっ!あぁ・・・」
「可愛い・・・可愛すぎるよ。美由紀・・・」
「そんな事ない。可愛くないもん。オバサンだもん。」
「美由紀、愛してるよ。いつまでも。」
和真は美由紀のトップスのボタンを手際よく脱がしていく。キスをして抱きしめている間にブラのホックも素早くはずした。とても、50代とは思えない、張りのある乳房が露見する。
「若い時と変わらない。ホント、変わらない。」
「嘘ばっかり。上手いなぁ・・・あっ!あっ!あっ!気持ちいいっよっ!カズくん!」
「美由紀の体臭だけで、眠りに入れそうだ。」
「バカだなあ・・・あっ!あぁあぁ!パンティはダメっ!灯りを消して?お願い!」
美由紀は懇願したが、既に力なく身体は和真の言いなりになっている。
彼はパープルのブラとお揃いでセクシーな下着の前部から自分の左腕を滑らせ、クロッチの部分に到着する。彼女のラブジュースで下半身は熱くなっていた。
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