16人が本棚に入れています
本棚に追加
Okinawa in December ②
「えぇ!マジかよ!!!!!!!!」
「和真、観念しなよ。松田聖子の『風は秋色』と『夏の扉』の衣装はピンクのフリフリね。振り付けも覚えてよね。
「マジか・・・マジか・・・マジか・・・歌だけじゃ、ダメか?」
「ダメダメ。河合奈保子の『エスカレーション』は真っ白なフリフリね。最後の曲だからね、気合入れてよ!」
「まぁ、麻里子と俺は機械に打ち込みの手間があるからな。その分、和真は我慢我慢だぜ。」
比嘉っちがニヤニヤしている。
「ちっきしょう!」
3月ライブの曲
➀Dont Stop Me Now (QUEEN)
②I was born to・・・(QUEEN)
③Let it Be (The Beatles)
④さよならのオーシャン(杉山清貴)
⑤君は天然色 (大滝詠一)
⑥First Finale (杉山清貴&オメガトライブ)
⑦じれったい (安全地帯)
~~アンコール➀~~~
⑧風は秋色(松田聖子)
⑨夏の扉(松田聖子)
~~アンコール②~~~
⑩エスカレーション(河合奈保子)
このラインナップに決まった。
・・・コツ・・・コツ・・・コツ・・・外からスタジオを叩く音がする。ガラス扉の向こうに誰かいる。
コツ・・・コツ・・・
外に誰かいる。桜庭結夏だった。メンバーは首を傾げて、ドアを開ける。アルコールの匂いがする。汗もアルコール臭い。随分、飲んでる様子だった。
同じ2年の比嘉っちが
「結夏、お前何しに来たんだよ!」激しい口調で言った。
「みんなに謝りに・・・」
桜庭結夏は深く頭を下げた。
麻里子は言葉にならず、息を飲むだけだった。和真も言葉にならなかった。
バンドのボーカリストとバックレた結夏だった。
「オトコとは分かれた。また、みんなでバンドがやりたい。アイツ、糞野郎だった。」
比嘉っちが頭をかいた。
「結夏、お前、バンド捨てて、オトコにに走ったんだぜ。何を今さら・・・それに結夏だけ目立とうとするライブパフォーマンスも大嫌いだった。」
帰れ!
比嘉っちは冷たく言ったが、和真が口を挟んだ。
「俺も美由紀とずっと一緒にいて、バンドに参加できない時があった。」
「和真、それとこれとは違うんだ。糞ビッチが!お前、我儘なんだよ!結夏!」
麻里子が口を開いた。
「機械に打ち込みやってくれる人、足りなかったんじゃなかったけ?」
「時間も少ないし、足りてないけど・・・」
「表には出ないで今回はお手伝いって事で、打ち込みだけやってもらえば?」
「う~~~~~~~ん」
比嘉っちが麻里子の言葉に唸った・・・
最初のコメントを投稿しよう!