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Okinawa in may2-②
①Love shower
②Tsumi・詰み・罪
③Anjel watch~天使の魔法~
④Winter age
⑤COACHが欲しい!
⑥do it eternity
⑦full house
⑧Crank up
藤川篤人は和真が作詞、作曲した8曲を聴いていた。聴きおわると『ふぅ~』と大きな溜息をついた。
「比嘉くんが作った曲の方が良かったかな?歌詞はカズの方がセンスはある。」
藤川はアイスラテをグイッと一口、飲んだ。
「Love showerから、ちょっとねーーー。イメージじゃないんだよ。キミたちのバンドの。『See-dog』のコピーの時の方がしっくりくる。『Sweet Lychee』じゃないんだよね~。正直。比嘉くんはそういう所、分かってて曲作りをしてたんだけどなぁ・・・彼、アレンジャーとか作曲家の方が向いていると思わないかい?」
藤川が続けた。
「アルバムの曲とかシングルのカップリングの作詞はカズにやってもらわないとファンが許さないと思うんだよね。英語得意そうだから、歌詞の全編、英語にして、『海外進出目指してます!』なんてのもいい。英語の曲だとやっぱり、アルバム曲かなぁ・・・カズはやっぱり、夏歌だよ。ナツウタ。声質がバンドマンって言うより、アイドルみたいだ。3月のライブの松田聖子と河合奈保子のイメージが強いな。甘く高い声、伸びのある語尾。アイドル路線がいいなぁ・・・ルックスも、まぁまぁだし。やっぱり、夏バンドなんだよなぁ・・・沖縄出身の夏バンド!行けると思うんだけどなぁ・・・」
藤川はボヤくように言葉を口にする。まるで、和真に話をしていないテイで。
「ちょっと、電話かけてくる。」
藤川は席を立って事務所奥の扉を開け、黒電話を2,3本かけた。戻ってくるといきなり。
「明日からキミと比嘉くんは東京に行ってもらう。今日中に準備して、那覇空港の出発ロビーに集合しなさい。」
そう言うと、すぐまた、席を立ち、カフェラテのお代わりを飲んだ。
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