*プロローグ*

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*プロローグ*

「ごめん瑠歌、俺と別れてほしい」  どうしてこうなった?  なぜ私は今、彼氏にフラれているのだろうか――― ***  新緑の香る、風が心地良い季節。  腕時計が18時ちょうどを指しているが、日没までの時間が長くなったおかげで、太陽の沈みかけの空は綺麗な夕焼けで赤く染まっている。  私は定時に仕事を終わらせて、いつものように同じ職場の彼氏と一緒に帰るつもりで外に出たはず、だったのに。 「俺、他に好きな人が出来たんだ」  夕日に照らされた彼の表情は真剣で、その突然すぎる告白に私は愕然としている。  それもそうだ。近々同棲をしよう、なんて話が持ち上がっていた矢先の出来事。それだけにまさかこんな言葉を吐かれるなんて、想像もしなかったんだから―――
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