プロローグ

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プロローグ

涼しくも暑くもない午後8時いつもより帰りが遅くなってしまった。 明日までの課題が終わらずスマホを凝視しながら最寄りの駅で満員電車から逃れるように降車した。 視界の端に見えるスーツを追いかけながら慎重にエスカレーターに乗った。 ふと顔を上げるとなんとも言えぬ薄暗い照明の中ずらりと並んだ会社帰りのスーツの列は私には異様に見えた。 先の見えないエスカレーターは私にアトラクションを思い起こさせ私は少し浮ついた気持ちになっていた。 課題を終わらせエスカレーターを降りるとそこは私の知らない場所だった。 どうしようもない焦燥感に苛まれる中、心の奥底で胸の高鳴りを感じていた。
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