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「...そうだ。その子供達のことなら、年齢が近い住人に聞いた方が早いかも知れませんね。少佐は明日改めてご両親達に、そして俺は昨日ちょうど知り合ったカノンとレオナに話を聞いてみることにします」
「...そうですね、わかりました。そういえば、その二人に関しては特に変わったことなどはなかったんですか」
「...え?はい、まあ。レオナは体が弱く、今日はカノン付き添いのもとで町の医者に話を聞きに行ったとだけ。その病気についても治療の目処がやっと立ったみたいです」
「...町の医者、ですか」
特に気にも留めていなかった事柄をノイから尋ねられ、ブラーグは今日聞いた話をそのまま話してみせる。
そうすればノイは、伏せていた視線をブラーグへと向けた。
「...?」
「その医者の名はわかりますか」
「え?...はい。たしか、クラークと言ったかと」
「...、...少々まずい状況かもしれません」
「...っと、...どういうことです?一体何が...」
カノン達から聞いた医師の名を口にしたブラーグに対し、ノイは小さく目を見開く。
そこからはどこか焦りが見えて、ブラーグは恐る恐ると言った具合で聞き返した。
「...今日聞いた話では、行方不明になった子供のうち一人は孤児院の子供だったんです。そしてその子もまた、長年病に悩まされていたと」
「...っ...、」
「...その主治医の名は、」
クラーク・ロドリゲス───
当たっては欲しくない嫌な予感に、ブラーグの額には一筋の汗が流れる。
「...それじゃ、まさか...、」
「ええ。次の標的は彼らかもしれない。...ブラーグ、その子達が承諾した件について、動きがあるのはいつだと聞いていますか」
「...あ、えっと...明日、クラークの元へ行く手筈になっていると...」
「...明日か。まだ間に合いますね、早急に二人の元へ行きますよ」
「...っ...、はい..!」
まさか、こんなことになるなんて。
まだ組織や施設とクラークが関係しているかの確証はないものの、ノイの言葉にブラーグはすぐに立ち上がる。
その時脳裏によぎったのは、レオナの病が治るかもしれないと嬉しそうに笑っていたカノンの顔だった。
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