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「ま…またぁ、からかうのはよしてよ。私、もう17歳よ?お婆さんたら、私のこと子供だと思っているでしょう?」
手をひらひらさせ笑ってみせるも、なんだか背中がじんわりと汗ばんできているのが、自分でも分かった。
恐怖でもなければ緊張とも少し違う。お婆さんの言葉を信じた訳でもなかったけれど…。
「嘘だと思うのなら、今ここで試してごらん。恋をしている友達の顔を思い浮かべながら、それを被るだけさ」
私も、お婆さんが指をさすそれに視線を落とし、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
ま…まさか、ね。
疑心暗鬼にかられつつも、私は意を決してヘルメットを被った。
頭では、亜美奈の顔を思い浮かべながらーーーー
「あっ……」
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