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確かに、亜美柰がこんなにも素敵な恋をしていると知れたことは、すごく嬉しい。嬉しいけれど……
「どうだい、‟恋をした”感じは。お前さんも恋愛をしてみたくなったかい?」
「うーん、どうかしら。だって今のは‟亜美奈の恋心”であって、‟私”じゃないもの。仮に私が誰かに恋をしたとしても、あんな風に感じるかなんて、分からないじゃない」
「意外と頑固だねぇ」
「失礼ね。素直って言ってちょうだい」
「ほっほっほっ。まぁお前さんが言うことも一理ある。恋愛は、楽しいことばかりじゃないからねぇ。うんと辛い恋をしている人だって、たくさんいるのが現実さ」
「そうでしょう?わざわざ自分から傷つきにいくだなんて、バカらしいわ」
ふんっと鼻を鳴らし、私はそっぽを向いた。
このお婆さんたら、どうしてそんなにも私に恋愛をさせたいのだろうか。
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